特定技能の受け入れ費用相場|初期・月額・経路別の目安

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特定技能の受け入れ費用は、紹介手数料や在留申請、登録支援の委託費、住居準備など複数の項目に分かれます。さらに海外採用か国内採用か、技能実習からの移行かで初年度の総額が大きく変わります。

相場の「幅」として全体像と内訳を整理し、製造業で追加で見やすい費用や見積もり比較のチェックポイントまでまとめます。受入れの流れは製造業の特定技能受け入れガイド、工業製品分野の該当確認は工業製品製造業の特定技能解説も参照してください。費用感を踏まえて支援体制を検討したい場合は、特定技能外国人紹介・支援もご覧ください。

武藤 拓矢

執筆者

特定技能外国人紹介・支援担当

武藤 拓矢(むとう たくや)

  • 申請等取次者
  • 外国人雇用管理主任者

合同会社エドミール代表。特定技能に特化した登録支援機関として、人材紹介から入社後の定着伴走まで支援。コミュニケーション量を重視し、長期定着につながる伴走を大切にしています。

特定技能の受け入れ費用の全体像

公開されている解説では、1名あたり初年度のおおむね目安は次のような幅で語られることが多いです。

  • 海外からの新規採用:約80万〜200万円
  • 国内在留者の採用:約50万〜150万円
  • 自社の技能実習生からの移行:約35万〜80万円

ここに給与・社会保険などの人件費が別途かかります。記事や機関によって総額の定義(人件費込み/採用コストのみ)が違うため、見積もり比較では「何を含んでいるか」を揃えてください。

初年度だけ見て安い経路を選ぶと、2年目以降の支援委託や更新手続きで想定外の出費が出ることがあります。3年分くらいのランニングコストまで含めて試算表を作ると、経営判断がしやすくなります。

初期費用の内訳

初期に発生しやすい主な項目は次のとおりです。

項目 目安の幅 備考
人材紹介手数料 10万〜60万円程度 国籍・スキル・人数で変動
送り出し機関関連 0万〜60万円程度 海外採用時に発生しやすい
在留資格申請関連 実費〜20万円程度 自社申請か代行かで差
渡航・送迎 数万〜十数万円 海外採用時
住居準備 10万〜50万円程度 敷金・家財・初期家賃など

※金額は公開情報でよく見られる目安です。実際の見積もりは必ず各事業者に確認してください。

見積書では「パッケージ料金」と項目別内訳が混在することがあります。紹介手数料に申請代行が含まれるケース、住居斡旋が別請求になるケースなど、内訳を1行ずつ確認しないと比較がずれます。

在留申請は自社で行えば代行費は抑えられますが、書類不備による再申請で時間コストが増えることもあります。初めての受入れで社内に入管手続きの経験がなければ、申請代行を含めた見積もりも1社分は取っておくと判断材料になります。

月額でかかる費用

1号の義務的支援を登録支援機関へ委託する場合、月額の支援委託費が中心になります。相場としては月2万〜4万円前後、ボリュームゾーンは1.5万〜3万円台とされる解説が多いです。

月額に含まれない従量課金(同行支援、緊急対応、翻訳の追加など)がある契約もあるため、契約書で「含む/含まない」を確認してください。詳細な機関比較は登録支援機関の選び方も参考になります。

自社支援を選んだ場合、委託費はかかりませんが、定期面談・通訳・記録作成の社内工数は毎月積み上がります。総務担当の時給換算で月5〜10時間かかる想定を入れておくと、委託との差が見えやすくなります。

複数名を同時に受け入れる場合、支援委託は人数分かかることが多いです。同じ機関にまとめると単価が下がるプランもあるので、人数が決まった時点で再見積もりを取ってください。

採用経路別の費用差

費用差の大半は、紹介手数料・送り出し・渡航・住居の有無から生まれます。

  • 海外新規:母集団は広いが初期費用が最も膨らみやすい
  • 国内在留:渡航費は抑えやすいが、紹介競争や住居確保は残る
  • 技能実習からの移行:紹介・渡航を抑えやすく、試験免除の条件を満たせば立ち上がりも早い

「いちばん安い経路」より、「自社の欠員タイミングに間に合う経路」を優先した方が、ライン停止の損失まで含めると合理的なことが多いです。

例えば欠員が2か月後に出る予定なら、技能実習生の移行可否を先に当たる方が、海外採用より総コストとリードタイムの両方で有利になるケースがあります。逆に技能実習の対象外工程なら、国内在留者の紹介を早めに始めた方が現実的です。

製造業で追加で見やすい費用

工業製品製造業分野では、一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への賛助会員入会が必要です。年会費は企業規模や割引条件で変わるため、最新額はJAIM公式で確認してください。

そのほか、製造業で追加しやすい費用は次のとおりです。

  • 安全衛生・品質教育の多言語化(翻訳・通訳)
  • 交替勤務に合わせた生活支援・緊急連絡体制
  • 現場マニュアル整備や教育担当の工数(社内コスト)

製造業特有の追加コストで見落としがちなのは、保護具・作業着のサイズ調整、通勤手段(夜勤バスがないエリアでのタクシー代)、寮や社宅の家具・家電です。住居準備の見積もりに「生活必需品セット」が含まれているかも確認してください。

品質管理の記録や異常品の扱いなど、現場固有のルールは翻訳だけでは足りないことがあります。写真付きの簡易マニュアルを作る場合、デザイン・印刷・更新の社内工数も費用に入れておくと後から慌てにくいです。

交替勤務がある工場では、支援機関の夜間・休日対応が別料金になる契約もあります。見積もり段階で「22時以降の緊急連絡」「シフト変更時の生活面談」が月額に含まれるかを聞いておいてください。

複数工場で受け入れる場合、JAIM入会は工場単位になるため、拠点ごとの年会費も試算に入れてください。同一法人でも拠点が増えるほど、固定費の総額は上がります。

費用を抑えるポイント

費用圧縮で効きやすいのは、むやみな値引き交渉より「経路設計」と「支援範囲の明確化」です。

  • 既存の技能実習生からの移行可否を先に検討する
  • 複数名同時受入れで初期準備を共通化する
  • 月額定額と従量のどちらが自社シフトに合うか試算する
  • 自社でできる支援と委託する支援を切り分ける

安さだけで選ぶと、定期面談や記録が薄く、更新・監査で追加コストが出ることもあります。

紹介会社や支援機関への支払いを一括前払いにするプランは、キャッシュフローとの相性を確認してください。分割払いや入社後払いの条件は会社によって異なります。

見積もり比較のチェックリスト

複数社から見積もりを取ったら、次の項目で表を揃えて比較するとズレが減ります。

  • 初年度総額に、紹介・申請・渡航・住居・支援委託のどれが入っているか
  • 2年目以降の月額と更新費用の見込み
  • 夜勤・緊急時対応の可否と追加料金
  • 製造業の安全教育・多言語対応の実績
  • 報告物(支援記録)の頻度と形式

比較用の表を作る際は、各社の見積書を横並びにして「含む/含まない/要確認」の3列で整理する方法が使いやすいです。項目例は次のとおりです。

  • 人材紹介手数料(成功報酬か前払いか、返金条件の有無)
  • 在留資格申請代行(不許可時の再申請費用)
  • 住居斡旋(敷金・礼金・仲介手数料の負担者)
  • 生活立ち上げ支援(口座・携帯・市役所同行の回数上限)
  • 定期面談(月1回が標準的だが、隔月プランの有無)
  • 翻訳・通訳(就業規則・安全マニュアルの翻訳が別料金か)
  • 更新・2号移行支援(別契約かパッケージに含むか)

見積もりの安さだけでなく、支援記録の提出形式(Excel、専用システム、紙)が自社の監査対応と合うかも見てください。記録の書き直しが発生すると、結果的に社内工数が増えます。

口頭説明と見積書の内容が違う場合は、メールで確認事項を残しておくと後のトラブルを防げます。「見積書に記載のない同行支援は1回いくら」など、従量単価も書面で揃えてください。

特定技能の受け入れ費用でよくある質問

給与は費用に含めますか?
採用コストの記事では含めないことが多いですが、経営判断では人件費を別枠で必ず見てください。報酬は日本人と同等額以上が求められます。
自社支援の方が安いですか?
委託費は抑えられますが、通訳・面談・記録の社内工数が発生します。体制がない場合は委託の方が総コストとリスクを抑えやすいです。
費用だけで登録支援機関を選んでよいですか?
いいえ。製造業では安全教育や交替勤務対応の質が定着に直結します。費用と支援範囲をセットで比較してください。

特定技能の受け入れ費用まとめ

特定技能の受け入れ費用は、経路によって初年度35万〜200万円前後と幅が大きく、月額の支援委託と分野固有費用が加わります。見積もりは項目定義を揃えて比較し、安さより定着までの運用コストで判断するのが製造業では現実的です。

費用感の整理や受入れ体制の設計については、特定技能支援サービスまたはお問い合わせからご相談ください。

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